科研費国際共同研究加速基金
(国際先導研究)

パワーレーザー極限状態の固体とプラズマにおける
物質と場の構造変化に関する学理探究

NEWS

2026-06-05

出張報告:チェコ科学アカデミーPALS(大阪大学・中辻千陽)

2026年5月17日から6月4日まで、チェコ共和国プラハにあるチェコ科学アカデミーのPALS(Prague Asterix Laser System)に出張し、レーザープラズマ実験に参加しました。PALSでは、サブナノ秒レーザーとして激光XII号よりも高いレーザー強度を利用することができ、自分が最も興味を持っている強度領域でレーザープラズマ相互作用を計測することができます。今回の出張では、共同研究者であるイタリアINO–CNRのGabriele Cristoforetti博士がPIを務める実験に参加しました。PALS、INO–CNR、ボルドー大学、ヨーク大学、ELI Beamlinesなどから多くの研究者が集まった国際色豊かな研究グループの中で実験に参加することができ、非常に実りのある充実した期間となりました。

今回の実験では、レーザー後方散乱光計測x2、側方散乱光計測、高速電子計測、さらにそれらの絶対較正用の計測など、多くの計測器を用いました。そのため、最初の1週間は、主に計測器の設置やアライメント、較正などの準備に費やしました。2週目以降は準備と並行してショットが始まり、順調にデータを取得することができました。毎朝ミーティングを行い、その後は夜まで準備・ショットを進め、レストランが閉まる前にほぼ毎日ディナーに行くという生活でした。激光XII号での実験とは異なり、明確なショットスケジュールに沿って進めるというよりも、準備が整ったらショットを行い、その結果を見ながら次の準備や条件の検討を進める、という流れで実験が進みました。決まった終了時刻は設けられず、施設側と研究者同士で議論しながら柔軟に実験を進めていくスタイルは新鮮でした。ちなみに、4週間以上にわたる実験期間ということで人の入れ替わりが多かったのですが、その分だけAssistant Professorだと自己紹介し、(学生にしか見えないであろうので)驚かれるというくだりをやりました。

休日には、プラハの中心街まで観光に行き、ようやくチェコに来たことを実感できる景色を見ることができました。プラハ城は高台に位置しており、歴史ある街並みを一望することができます。かつて神聖ローマ帝国の都でもあった街の雰囲気を感じることができ、非常に印象的でした。また、多くの銅像が並ぶカレル橋では、皆さんよくご存知のフランシスコ・ザビエルの像を見ることができました。

食事については、何よりもビールが美味しい!特に黒ビールがとても美味しく、日常的にはあまりお酒を飲まない自分でも、水よりも安いこともあり夕食の際にはほぼ毎回注文しました。チェコの伝統料理は肉料理が中心で、どれも美味しく、途中でイタリアンやギリシャ料理、インド料理なども挟みながら、毎回量が多かったですが食事に困ることなく過ごすことができました。また、ビール以外の物価はやはり海外プライスで、来月の請求にドキドキしています。

今回のPALS出張を通して、レーザープラズマ相互作用実験に関する知識と経験を深めるとともに、他施設の運用方法について学ぶことができましたのは非常に大きな収穫です。また、今回でかなり交流を広げることができ、国際共同研究の重要性を改めて実感しました。

(大阪大学レーザー科学研究所・中辻千陽)

 

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