科研費国際共同研究加速基金
(国際先導研究)

パワーレーザー極限状態の固体とプラズマにおける
物質と場の構造変化に関する学理探究

活動報告

2025-01-24

参加報告:レーザー学会学術講演会第45回年次大会(京都大学・杉本 馨)

報告者(杉本)は2025/01/21~2025/01/23の期間に広島国際会議場にて開催されたレーザー学会学術講演会第45回年次大会に参加し、21日に相対論的レーザープラズマ中の陽電子加速機構に関する発表(招待講演)を行なった。発表後、九州大学の諌山翔伍先生、関西光量子科学研究所の神門正城副所長、同研究所の畑昌育主任研究員と個別に議論および意見交換を行なった。
22日-23日には核融合プラズマ・宇宙プラズマのセッションが行われた。いくつかの講演概要を以下に記す。阪大レーザー研の藤岡慎介先生からレーザー核融合に関する現状・燃焼効率を上げるための手法の包括的な発表があった。同じく、レーザー研の村上匡且先生からマイクロチューブ爆縮を使ったメガテスラ磁場生成とそれらの応用物理に関して発表があり、以前からの進捗も聴講できた。実験室における強磁場プラズマ実験の発展に繋がりそうな興味深い内容であった。東京大学理学研究科院生の寺境太樹さんからワイベル不安定に関して、初期に弱い磁場が存在する場合に不安定化の様相が変化することが伝えられ、新たな知見を学ぶことができた。また、理化学研究所の戎崎俊一先生から宇宙空間での航跡場加速に関する発表があり、その中で報告者が過去に行った研究と関連づけられそうな内容を聞いた。講演後、短い時間であったが戎崎先生とこれからの研究について議論を行うことができた。今後、新しい研究展開に繋げられるように取り組んでいきたい。
当該会期中、別室にてポスターセッションも開催されており、会場は連日賑わっていた。報告者は22日のポスターセッション中に、阪大理学研究科院生の大村リョウさんから実験室における磁気リコネクションに関連した発表を聴講した。磁気リコネクションは報告者の現在における研究対象である。発表内容としては特殊な形をした銅製ターゲットに高強度レーザーを照射しプラズマと磁場を生成することでリコネクションの状況を再現し、それの観測および理論モデルと比較するものであった。太陽磁気圏などでは主に水素プラズマ中でリコネクションが引き起こされるが、今回のような金属(銅)プラズマ中でのリコネクションはあまり聞いたことがなかったため今後の発展に注目している。
レーザー学会に参加するのは今回が初めてであった。内容はもちろんレーザー実験・シミュレーションに関連したものが多かったが宇宙プラズマに関する発表・情報もあり、有意義なものであった。近年のレーザー技術の発展に伴い実験室において多種多様なプラズマを作り出せるようになってきたことを踏まえて、宇宙プラズマと実験室レーザーマのより密接な連携と新たな研究展開を考えるための良い機会となった。

 (京都大学基礎物理学研究所・杉本 馨)

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